コンテンツへスキップ →

極細ペン

極細の油性マーカーを比較しました。サクラクレパスのMicroperm(上)とマイネーム超極細(中)がいい勝負で、ペン先回りもほぼ同等に見えます。前者がやや濃い様子。どちらも01を謳ってますが、0.2mmから0.3mm程度。 Staedtler Lumocolor S 超極細(下)は、ドイツのブランド品ですが、ただ高いだけ。

これまでフィルムの上からカットの印やアタリ線をつけるのにボールペンなどで間に合わせていましたが、これでようやくちゃんと描けます。赤もMicropermの01を買うつもりです。下にちょっと覗いているアクリルのカッティング定規は、四半世紀前からずっと使っているものです。

かつて出版社で編集をやっていた頃、オフセット印刷の写真製版用の版下を編集なのに作成させられたのですが、そっちの方が編集よりずっと向いていて、今につながっています。当時、他の同僚も版下をつくってましたが、だいたい不器用なのにあきれていました。ある同僚が、この仕事をやって1mmがどれほど長いかわかったと言ってたので、「小学生の時1mm平井と呼ばれていて、バカにするな、自分はそんなおおざっぱな人間じゃない、と不満だった」と返したところ、異常呼ばわりされました。

そんなこんなで、作図を究めるつもりで、各種製図ペンを試していました。今でもいくつか残っています。

上はこれもサクラクレパス製のPigma、四半世紀以上前のもので、ペン先もほとんど摩耗しているのに、なんと今でもうっすら書けます。楽なのでよく使ってました。デザインはちょっと変更されてますが、今でも現役の製品です。こういう国産品の品質はたいしたものです。

その下はドイツのRotringのrapidgraphの.13。当時は版下作成用の定番でした。Pigmaとかのミリペンよりダレが少なく、使いこなせばほぼ一定の太さの線を引けます。でもそこまではいけませんでした。つまりやすくて、すぐつまらせました。専用クリーナーもあったはず。下は同じRotringのisograph。簡易版。.1の方が.13より太いのです。

さらに下は0.2mmのシャープペンと替え芯。フィルムのレタッチにと買ったのですが、ろくに使いませんでした。一番下は替えインク。Staedtlerのペンもあった気がします。

先年逝去されたブックデザイナーが、デザインの要素として線を多用する人で、その事務所の版下を何度も見ました。現場の人はrapidgraphの.13を手にもってましたし、線は製図ペンで引いているのかと思いきや、そういう場合もありましたが、写真植字で機械的に焼き付けたものがペタペタ貼ってあったような記憶があります。手技は機械にかなわないということだったのかもしれませんし、その人の流儀として、手技を排して機械化していくということだったのかもしれません。日本でのMacDTPの先駆者格でしたから。

シャープペン以外はみんな水性で、紙に線を引くための道具です。今必要な用途には使えません。でもこうやってある時期に製図らしきものにとりくんだおかげで、今の切った貼ったの作業を、さほど苦もなく、売り物にするに足る程度の精度でこなせます。建築関係では今なお紙の製図を学ばされるようですが、グラフィックデザインでは、方眼紙に線を引いて写真植字を切り貼りするという局面は、趣味ならともかく商業上はまずないでしょう。そして、かつて版下作業で習得したスキルを、別の分野で活かしている(活かしつつある)人というのも、おそらくは稀有なのではないでしょうか。

カテゴリー: 道具

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です