事情があってしばらく遠方におり、特許庁との通信手段であるインターネット出願ソフトを使える環境になかったのですが、本日夕方戻って荷物降ろして真っ先に行ったのが、このソフトの起動でした。先月出願し連休前にスーパー早期審査請求した特許出願を、スーパー早期審査対象にしてもらえたかどうかの通知が来ている頃合だったので、その結果が気になっていたのです。
通常の審査請求では、特許出願から最初のオフィスアクションまで9カ月程度、早期審査では3カ月以内とされています。スーパー早期審査では、これが1カ月以下と短縮されます。ただ、以前にスーパー早期審査請求してそれが通りながら、却下事由である紙の送付をうっかり行ってしまったり、せっかくスーパー早期審査してもらったのに、その後の応答を遅らせてスーパー早期審査の対象から外されたりと(それでも早期審査の対象にはなりますが)、いろいろやらかしているので、スーパー早期審査にしてもらえず早期審査どまりかも、と思っていたのでした。
そしたら、来てました。スーパー早期審査の対象とします、との通知書と、本体である、審査の結果の拒絶理由通知書が同時に。どちらも起案日は12日。先週中には受信可能状態だったでしょう。特許庁審査官の登庁日は、部署や人にもよるかと思いますが、一例としては、去年は週にたった1日、今年あたりはちょっと増えて週2日だそうです。本願は出願したばかりなので当然非公開案件ですから、庁外には資料等を持ち出せず、このわずかな登庁日に審査するしかないそうです。しかも本願は請求項数も多く(25)、明細書も関係ない記載が多くてやたら長大、審査請求時だけでなくさらに追加で自発補正しちゃったし、しかも連休直前のスーパー早期審査請求。かなり審査官泣かせの中身ですから、当然1カ月以上かかるだろうと油断してました。
で拒絶理由通知の内容はといえば全滅です。引例(こういう発明が先に公開されてますから特許にできませんよという、拒絶の根拠)は40年近く前の実用新案で、見通しとしては簡単に回避可能。その回避はとりたい範囲に影響を与えません。なので、かえってこわいです。次はどんな引例が繰り出されるのか。いちばん広い請求項1は下にいろいろぶらさげてどれが有効かを見るためのダミーみたいなもんで、最初から無理だと思ってます。これすら、この引例に対しては簡単に進歩性ありにできてしまうのです。これに従属している請求項2以下が現状進歩性なしの中で、補正後の請求項1の進歩性を否定する別の引例を次に突き付けられたら、従属項もろとも撃沈するのでは、と心配です。
でも、国内出願で楽に特許査定が出たのに、国際出願の国際調査報告では新しい引例を引っ張ってこられて進歩性なしを食らう、という羽目になるくらいなら、最初から辛めに調査してもらった方がありがたいです。
これ、この先の命運がかかってる特許出願なのです。前はいつも本気の出願だったのですが、去年あたりからは出願数も増えてきて、わりと枝葉の出願もちらほらあったのでした。でもこれは起死回生の製品を支えるべき発明で、しかも直近で登録された3件くらいの装飾体の出願のように明らかに誰もやってないだろうと確信を持てるような技術ではなさそうなので、もっとやきもきします。
ともあれ、明日にでも審査官に電話です。リモートだとつながらないかもしれませんが。
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