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技術開発から事業構築へ

年内おそらく最後の外注加工の発注を行いました。あとは自前でできることをやっていくだけです。

いまだに失敗が多く、ちょっとした瑕疵でも試作品が台なしになり、かかった費用が無駄に。落胆します。

数回なら、またやりなおせばいいと前向きに考えられますが、あまりに多いと、事業として安定的に製造できるのだろうか、と疑わざるをえなくなってきます。工程はほぼ完成しています。うまくいく時もあります。しかし、その歩留まりが悪すぎると、原価にはねかえってきます。芸術品なら試行錯誤の末に1個できればいいですが、これはそういうものではありません。再現性・繰返し精度・安定的品質が求められる、工業製品なのです。

市場を独占できるなら高価でも成立します。でも、その市場ができあがるまではそうはいきませんし、そんな市場が(潜在的にも)あるかどうかさえ、現時点ではわかりません。潤沢な資本がない限り、新しい市場を拓こうとする前に、まずは、既存の市場を足がかりにしてそれなりの知名度・実績・評価・売上・販売体制を確立しなければなりません。

既存の市場で売買しようとするならば、おのずと、その市場の価格相場に合わせる必要が生じます。相場を逸脱した値付けはできません。とっくにできあがっている市場ですから、競合相手は価格競争に努め、工程を合理化し、こなれた価格で販売しています。webで見る限りでは、オリジナリティはともかくとして品質が高くセンスもいいと思われる製品が、こんなに安いのか、という価格で売られています。かと思えば、とことん省力化して送料込3桁とか、価格破壊も極まれりというものもあります。もちろん後者は見るからにそれなりの品質ですが、大半の消費者がまず見るのは価格ですし、こういうものが形成した相場の流れには抗えません。

一方、こちらはいくつものこみいった工程と習熟を要する新技術の所産です。手数がかかりすぎて、ある程度の高価格にせざるをえません。それでも、安定して製造できるなら勝負になりましょうが、こんなに失敗が多くて、はたしてまともに戦えるのだろうか、との疑問が頭をもたげます。

しかも、うまくいっても品質に不満があります。これを改善できるのか。さらに、世に広く受け入れられるような製品にできるのか。事業としてうまくいくのか。これまでのように失敗して終わるのを繰り返すだけではないのか。資金は持つのか。景気はどうなるのか。特許につぎこんでいていいのか。個人的に抱える問題もあって、ヒリヒリするような不安感にさいなまれながらも、とにかくこの製品を完成させて世に問う以外にできることはないので、少しずつ進めながら、また私の1年がもうすぐ過ぎようとしています。

カテゴリー: 技術

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