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【特許】審判請求書を提出しました

今年はおそらく、実働時間の半分以上を特許関連に費やしました。国際出願や、まったく別分野の出願も自力で行いました。技術開発とか試作品製作、そしてもう一つの会社の業務等は、残りの時間でやっていたことになります。
特許なんかに時間を使うより、特許事務所に依頼して本業に専念したほうがいい、と思われることでしょう。なぜこうするのか。今後おいおいご説明していきます。
特許は商標より制度が複雑で、権利取得のハードルが高いと思いますが、弊社にとっては権利としての重要性も上です。商標は競合者との競争を有利にする程度に過ぎませんが、特許があればその技術を独占でき、うまくいけば競合者を排除できます。競争自体から抜け出せるのです。つまり、商標は所詮事業の名札どまり、一方特許は事業そのものを左右します。ただし、商標権は10年ごとに登録料を納付し続ければずっと更新可能で、特許権は出願から20年で消滅します。
何を言いたいのかというと、Chameleon ColorとLumino Colorの商標権も取得したかったですけれど、特許の方はそれ以上に、とにかく何としても、是が非でも取りたい、ということです。
特許出願はかなりの回数行ってきましたが、去年8月の出願が、代理人を通さずに本人出願し審査請求した特許出願としては8件目です。うち7件は、Chameleon ColorやLumino Color等の商標で事業化する予定の技術に関する出願です。8件目の前は全滅で、それらを踏まえて技術の定式化・明確化を突きつめ、この出願でやっと手ごたえを得られるところまでこぎつけました。
特許庁から拒絶理由通知を受け、意見書での反論を2回。毎晩、特許庁との通信手段であるインターネット出願ソフトの「発送書類の受取」ボタンをドキドキしながら押して結果の受信を待ち、この歳にしてほんとにドキドキの毎日でしたが、10月にあえなく拒絶査定となってしまいました。特許権は与えられない、と宣告されたのです。薄々覚悟はしていたので、「拒絶査定」の文字を画面上で見た時にも、意外に冷静に受け止められました。
でも、拒絶の理由には納得がいきません。この出願以前に公開された他人の特許出願や実用新案登録出願を少し設計変更して、別の出願を組み合わせるとこの出願の発明になる、という理由なのですが、この出願の発明は全然別物であって、引き合いに出された発明から簡単に思いつくようなものではない、と考えざるをえないのです。
ここまででけっこう打たれ慣れてきて、拒絶査定くらいではめげなくなりました。2か月全力で考え抜いて20ページの長大な審判請求書を書き上げ、先週提出しました。これは拒絶査定不服審判を請求するもので、上級審として用意されている復活のチャンスです。1人の審査官による審査とは異なり、長年特許審査の経験を積んできたヴェテランの審判官3人の合議による審理です。
審判請求書も、例によって自分で作成して自分で提出しましたが、ここまでほぼ自力のみでやってきて、独りよがりに陥ってるんじゃないかとさすがに不安になり、提出前、弁理士にレヴューを依頼しました。やはり専門家、的確なコメントをくださり、欠点もわかって軌道修正できました。私はこの世界で場数を踏んでいないので、これならいける、といった相場観を養う機会も当然ありませんでしたから、専門家の目でそのあたりを判断していただくのは有益です。
それでも、代理業務は依頼せず、自分で手続しました。理由は費用だけではありません。この技術と明細書の内容は自分が誰よりもよく理解していて、これまでの審査での経緯も把握しています。その上で、この反論方針で行くしかない、と確信したからです。
やれる限りのことはやりました。もし審判でも駄目だったら、その先には知財高裁に場所を移しての裁判という機会も用意されていますが、続く数件の、同じ発明でより完成度を高めた出願での対応方針を考え直すという選択肢もあります。
審判の段階に入る前に、拒絶査定を出した審査官が審判請求書を検討する前置審査という段階が挟まる場合があり、その段階に移管する旨の通知が届きました。しばらくはその結果を待つのみです。ドキドキの日々は続きます。

カテゴリー: 知財

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